Sakiko のアメリカ暮らし徒然記:仕事、遊び、文化

4/12/2004

読書の…春 — 高橋克彦さんの作品紹介

Filed under: - admin @ 10:17 am

ここ West Hollywood に移り住んでから、かなり読書をする時間が持てるようになった。日本を離れているせいか、けっこう日本の歴史小説的なものも読んでいる。私が今かなり気に入っている作家は、高橋克彦さん。浮世絵モノから UFO 関連の SF モノに至るまで、多彩な才能をもって読者を楽しませてくれる。中でも私が好きなのが歴史モノ。歴史的な背景をきちんと捉え、その時代に生きた人間の生活をリアルにまたスリリングに描写してくれる。ここでもいくつか紹介させてもらう。

1.「火怨 (かえん)」
八世紀の東北で猛威を振るった蝦夷、阿弖流為(アテルイ)の人生を物語った作品。上下の 2 巻からなる (火怨〈上〉—北の燿星アテルイ講談社文庫火怨〈下〉—北の燿星アテルイ講談社文庫)。黄金を求めて陸奥を支配しようとする朝廷軍に対して、阿弖流為がみごとな遊撃戦を繰り広げていく。その戦略戦術の数々には、女の私も興奮を覚えるほど。古代の男のロマンと歴史を作り上げた男たちの怒りと哀しみ、そして喜びと愛を肌で感じることができる。吉川英治文学賞受賞の傑作品。

2.「炎立つ」
「火怨 (かえん)」に続く 11 世紀から 12 世紀に至るまでの陸奥を舞台にした作品。全5巻 (炎立つ (1)講談社文庫炎立つ (2)講談社文庫炎立つ (3)講談社文庫炎立つ (4)講談社文庫炎立つ (5)講談社文庫) からなる。平将門の乱が平定されて100年を越え、蝦夷(えみし)たちを俘囚(ふしゅう)と悔るばかりの朝廷側。11 世紀から 12 世紀に渡る壮絶な歴史を背負い陸奥の運命を担う阿部藤原一族が、源氏との間の凄絶な戦いが繰り広げる。手に汗握るシーンばかりの大傑作。

上記以外にも、「時宗」シリーズなどがお勧め。

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